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2021年10月 『ハクビシンさん』
恵(私の妹、私が住職を務める吉野の山奥の瑞輪寺を全面的に私に代わり僧侶として守ってくれています)のFacebookより、

午前中母の病院の付き添いをし、車で母を送って行く道中のことでした。
道路の真ん中になんか?不思議な生き物がいました。
獣さんとは判るのですが、座り込んだまま顔を下向けて動きません。
車を止めるしかありません!(怖がって、道沿い草むらにでもで逃げるかな?と思って)
母に見てもらったら
『ハクビシンや!』
何や判らん獣さんやったんか…。
リアルハクビシン…初めてかもです。
ギリギリに車を停めたのですがその子は、全く動こうとしません。仕方なく私はサイドブレーキひいてハザードランプを付けて、助手席側に身を乗り出して窓をあけて見たら
ぼ〜っと、していました。
怪我をしている様子はないのですが、もしかしたら車に少し接触するなどして、ぼ〜っとしているのかな?と、観察してみたけど見て判る所はなく。
『ハクビシンさん。ここ、車危ないから早くあっちの草むらに戻りや轢かれたら困るやろ?』と、通じる筈のない日本語で話しかけたら…
なんと、その子は人間を怖がる素振りは全くなく、ミーアキャットみたいに後ろ足立ちして、私の顔をじっと見るのです。
ボヤ〜っと、しながら…でも、もしかして助けて欲しいのかな?
可愛いお顔だけど、もちろん色々衛生的な事があるので、降りて抱く訳にも行かないですし…。
思案してたら、その子私の車の下にゆっくり潜り込んでしまってクラクション鳴らしてもビックリして飛び出すこともなく…。
仕方なく、通過してくれるまでそのまま車を止めていたら、ようやく反対車線まで行ってくれて。よかった
と思ったら、反対車線のど真ん中で座り込んでしまって…。
なので、運転席側の窓を開けて
『ハクビシンさん頑張って渡り〜。轢かれるで❗️』と、通じる筈のない日本語で必死で伝えたのですが、そこから動きません。
そうこうしているうちに、前方から車が来て…ドキドキ。
『え?ハクビシンやん。え?轢いたん?』なんて言われて😱💦。
『いえ、そうじゃないけど、このままだと危ないと思って声かけてました。怪我とかしてなさそうなんだけど…』
って、轢いたん?って言葉にショックを受けながらも見守ってたけど、一向に動かず…。
その方は大回りして、その子を避けながら車を進めました。
そうこうしていたら、また前からも後ろからも車が来たので、心配だけど、どうにも出来ず、そのまま車を走らせました。

母を送り届けてさっと用事済ませて帰路中…。
心の中で
『もし、あの子が、ノペー(轢かれて)ってなってたらどうしよう?』と、ドキドキ不安に思いながら、またその場所に差し掛かったら…。
なんと
生きています。生きて道の端っこに居る。
そこは車道外なので、動かない限り轢かれる心配はなさそうだけど…。

心配になりその先で車を止めて見てみたら、
ワォッ 目があった。
思わず画像におさめたよ…

ノペッと轢かれてません様にとは思ったけど、そこにまだ居ることは想定外でした。
無事草むらに逃げ込んでいるか、ひかれているか…としか考えてなかったので…。
車の方向を変えて、運転席側からよくよく観察しても、ただ佇んでいるのです。
そして、私を暫く見て、伏せてしまって…。
だんだん目を閉じてしまいました。
やっぱり、私が出会う前に車に接触したのでしょうか?
この子は、死んでしまうのかなぁ。
そこで色々と【ハクビシン】で検索してみたら、害獣駆除にばっかりヒットして
もしかして…駆除剤的な物を食べちゃったとか?
どうにもしてあげられない無力な私でした。
この後時間もおしてきたので、その子になんも言えないまま、結局その場を後にしました。 

そして自分の身勝手さに思い知らされるのです。
家にやってくる蜂🐝さんは、駆除して、この子の事は心配する。
同じ、同じ尊い命…命の重さは私とこの子も蜂🐝も変わらない命。
仏様からみたら同じ尊い命なのです。

自分勝手、自分のものさしで命をはかる愚かさに気付かされるのです。

2021年7月2日の事でした。

感謝
以上私の妹のFacebookより。

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