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- 2013年03月 『白菜事件』
- 6年生の私の息子(ダウン症と言う知的障がいがあります)が1ヶ月ぐらい前に、大きな白菜を抱えて小学校から帰って来たことがありました。
妻がどうしたのかと聞くと、息子は2軒隣のお宅を指差して「おばあちゃん、ありがとう、した」と言うのでした。そのお宅へ行ってみると、確かに車のトランクの中に大きな白菜がたくさんありましたが、お宅には誰もいらっしゃらない様子でした。
妻はあわてて白菜を車のトランクに戻し、息子に「勝手に白菜を取っては駄目です」と言い聞かせたそうです。しかし息子は「おばあちゃん、ありがとう、した。」と言うだけだったそうです。
そのお宅は少し前に引っ越して来られたばかりなので、妻は息子が勝手に白菜を持ち帰ったに違いないと思ったそうです。
それからしばらくして、私はそのお宅の方とお話する機会がありました。
すると何と隣にいた息子は「白菜ありがとう」と言うのです。
これはもしかすると本当に息子は白菜を頂いたのかもしれない…と思い、おばあさんに大きな白菜を貰ったと言って持ち帰った事がありましたが…と話してみました。そして本当に頂いたのか、はたまた息子が勝手に白菜を持ち帰ったのかをおばあさんに確認してほしいと正直に伝えてみました。
その日の夕方です。おばあさんが我が家まで来て下さり、あの日は「白菜好き?」と訪ねると「うん 」と言ったので息子さんにあげたのですよ、と教えて下さいました。
私は、なんだかとっても嬉しい気持ちになりました。
おばあさん、本当にありがとうございました。そして、龍真ごめんなさい。